司馬遼太郎の「項羽と劉邦」で、ピンときた下りがあります。
項羽との最終決戦(垓下の戦い)を前に、自信がなく怯える劉邦に、軍師の張良が話します。
「韓信は援軍に来ないかもしれません。
が、その来ないかもしれない、という援軍を劉邦さまは持ってらっしゃる。
項王は来ないかもしれない、という援軍さえもいません。」
なるほど〜!
これはおもろい見方だ。
劉邦は「徳」で勝った。
戦の天才韓信に、大軍を与えて思う存分転戦させる。
下手をすれば、主君劉邦より勢力が大きくなるかもしれない。
結局、韓信は”その気”にならず、援軍に来た。
自分の才能を発揮させてくれた。
その想いが、劉邦へのある種の愛へと昇華したんだろう。
示唆に満ち満ちとる。。。